SNSやYoutubeで解説者が「プロンプト」と言っているのを聞いたことがないでしょうか?
プロンプトという言葉だけ聞いても、正直何を示しているのかわかりませんよね。
しかし、ChatGPTを使う上でプロンプトの理解は最も重要と言っても過言ではありません。
そこで本記事では、ChatGPTにおけるプロンプトについて、基本情報から業務で使える活用方法などを解説しています。
本記事を読めば初心者を脱却して、ChatGPTをより使いこなせるようになるでしょう!
プロンプトとはChatGPTに送る指令文
プロンプトはChatGPTへ送る「指令文」のことです。
聞き慣れないカタカナなので難しいイメージがありますが、実のところただの文字です。
しかし、ただの文字を意識するだけで、ChatGPTは大きく化けます。
以降の章から、プロンプトが重要な理由やコツを確認してみてください。
プロンプトを意識することが重要な理由
プロンプトを意識することが重要である理由は以下の3つです。
- ChatGPTから理想の回答を引き出せる
- ChatGPTのこなせるタスクの幅が広がる
ChatGPTから理想の回答を引き出せる
プロンプトを意識すると、ChatGPTから理想の回答を引き出せるようになります。
ChatGPTからの回答に不満をもった経験はないでしょうか?
そのような場合は、プロンプトを見直せば回答の精度が高まる可能性が高いです。
ChatGPTが自然な言語を操れる理由は、ざっくり言えば人間の脳と同じようなモデルで動いているためです。
指示を工夫することで人間の動きが良くなるように、ChatGPTも買いつの精度が高められるというわけです。
ChatGPTのこなせるタスクの幅が広がる
プロンプトのコツを学べば、ChatGPTがこなせるタスクが多くなり、より業務が効率化できるようになります。
例えば、私の場合は記事を書く際、読者の心情やニーズを把握して、指定した文体と特定のライティング手法を用いて執筆するようにプロンプトを工夫しています。
私の求める文章は「〜というテーマで文章を書いて」だけでは到底書けませんが、プロンプトを工夫することで実現しているのです。
ChatGPTの能力を上げるのはOpenAIではなく、自分のプロンプト力だと理解しておきましょう。
理想の回答を引きだす!プロンプトのコツ6選
ChatGPTに理想の回答をしてもらうために、以下の6つのコツを押さえておきましょう。
- 具体的な指示を送る
- 複数回会話する
- ChatGPTに尋ねる
- ChatGPTに役割を認識させる
- 変数を利用する
- 区切りに#のような記号を使う
それぞれのコツについて、詳しく解説します!
具体的な指示を送る
ChatGPTにプロンプトを送る際、できるだけ具体的な内容を心がけましょう。
人間同様、細かく条件を指定してあげたほうが、求める仕事をしてもらいやすくなります。
ChatGPTを新入社員だと考えると、具体的なプロンプトの重要性を理解しやすいです。
具体的なプロンプトというのは、以下を参考にしてみてください。
・具体的ではないプロンプト
ChatGPTについて教えてください。
・具体的なプロンプト
ChatGPTについて学びたいです。
ChatGPTについての全体像を理解するための重要な項目を教えてください。また、出力は箇条書きで、初心者にもわかりやすい単語のみを使ってください。
上記のように重要な項目に絞ると、余計な情報をカットできたり、精度の高い回答を得やすくなります。また、自分の知識レベルを提示すれば、出力される文章の内容も変わります。
ChatGPTにプロンプトを送る際は、どんな目的でどんな形式で出力してほしいかなど、具体的な内容を意識してみましょう。
複数回会話する
ChatGPTは過去の会話を踏まえて対話しているため、複数回会話して、出力結果を理想に近づけましょう。
「先ほど言った〜」や「以後、○○を意識して対話してください」などのプロンプトにもしっかり対応できます。
複数回会話することを前提とすると、自分が得たい回答をブラッシュアップできます。例えば、以下の画像をご覧ください。
画像のように、ChatGPTの出力に対して意見を出すことで、自分が得たい回答に近づけられます。
ChatGPTとの会話は複数回行うことが理想の回答を得るコツ!
ChatGPTとのキャッチボールを楽しみながら、業務効率化を目指しましょう。
ChatGPTに尋ねる
具体的な指示の内容が思い浮かばないときは、ChatGPTに尋ねるのがオススメです。
例えば、以下の画像では、ChatGPTに必要な情報を尋ねています。
あとは、この1〜5の項目を埋めて、再度ChatGPTに投げればOK。理想の回答を得られるでしょう。
「困ったら質問する」を意識してみてください!
ChatGPTに役割を認識させる
ChatGPTに役割を認識させると、役割になりきって回答してくれるため回答精度が上がりやすくなります。
役割と言ってもさまざまですが、特定の職業になってもらうケースが多いです。
例えば、なりきってもらう職業としては、以下が挙げられます。
- ライター
- マーケター
- ファイナンシャルアドバイザー
- エンジニア
プロンプトへの挿入は、文頭に「あなたはプロのマーケターです」のような文章を入れればOKです。
簡単に回答精度を上げられる方法としてオススメなので、ぜひ試してみてください!
余談ですが、マツコデラックスになりきってもらうとオネエ言葉になります。
変数を利用する
プロンプトに変数を用いることで、複雑なタスクをこなせるようになったり、回答の精度が上がったりします。
「変数」と聞いても訳がわからない方が多いでしょうが、まずは変数を使用したプロンプトをご覧ください。
{トピック}について学びたいです。
{トピック}についての全体像を理解するための重要な項目を教えてください。
{トピック}: ChatGPT
上記のプロンプトの{ }の部分が変数です。変数の概念図は、以下の図解をご覧ください。
変数は「空の箱」をイメージしてください。先ほどのプロンプトでは、{トピック}という空の箱に、「ChatGPT」という情報を入れています。つまり、先ほどのプロンプトは次のように読み替えられます。
{トピック}について学びたいです。
{トピック}についての全体像を理解するための重要な項目を教えてください。
{トピック}: ChatGPT
↓
ChatGPTについて学びたいです。
ChatGPTについての全体像を理解するための重要な項目を教えてください。
今回は短いプロンプトなので、あまり変数の効果は発揮できません。しかし、数十行のプロンプトで複雑なタスクをこなす際、変数の活用は非常に重要です。
長文プロンプトでも、ChatGPTが内容を理解しやすくなるためです。また、人間にとっても読みやすいプロンプトになります。
難しい概念ですが、理解していると複雑なタスクをこなすプロンプトが作成できます。
今後ChatGPTを使いこなしたい方は、ぜひ変数を活用してください!
区切りに#のような記号を使う
プロンプトの中で区切りの記号(#や’)を使うと、ChatGPTがプロンプトの意図を読み取りやすくなります。
区切り記号を入れる場合としては、プロンプト中に命令・変数・条件などの複数の要素が入っている場合です。以下のプロンプト例をご覧ください。
###
[命令]
1週間のトレーニングメニューを作成してください。
###
[入力]
現在の体重:65kg
現在の体脂肪率:15%
目標体重:60kg
目標体脂肪率:12%
トレーニング期間:2ヶ月
###
[条件]
膝に負担がかかるメニューはできない(スクワットやランニングなど)
###
[出力形式]
メニューとトレーニングのコツ、トレーニングの注意点を解説する
上記のように、各項目ごとに###や”’で区切ると、プロンプトが見やすくなり、回答の精度が高まります。
実は、Open AIが公式で推奨しているテクニックでもあります。
参考:Best practices for prompt engineering with OpenAI API
私だけでなく、プロのプロンプトエンジニアたちも使っている手法ですので、試してみてください!
中〜上級者のプロンプトテクニック
本章では、前述したプロンプトのコツに加えて使うと効果的な2つのテクニックを解説します。
- Few-shot プロンプティング
- CoTプロンプティング
覚えておくとChatGPTからの回答の質をアップさせられるテクニックなので、ぜひ参考にしてみてください!
Few-shot プロンプティング
Few-shotプロンプティングとは、プロンプト中に回答の参考となる例を提示してあげるテクニックです。
Few-shotプロンプティングを活用すると、ChatGPTが例題を参考にして回答するようになるため、理想の回答を出力しやすくなります。
Few-shotプロンプティングの例として、以下をご覧ください。
プロンプト:
めっちゃ嬉しい//ポジティブ
うまくいかない//ネガティブ
とても美味しい//ポジティブ
パソコンが壊れた//
ChatGPTの回答:
ネガティブ
「パソコンが壊れた//」だけでは同じ回答にはなりませんが、事前に例題を提示しているため「ネガティブ」と出力してくれました。
上記の例は簡単な例ですが、複雑なプロンプトを作成するときにも応用可能です。
僕はこのテクニックをよく使います。使うのと使わないのでは、回答の質が大きく変わります。
今後ChatGPTで複雑なタスクを任せたいと考えている方は、Few-shotプロンプティングをマスターしておきましょう!
CoTプロンプティング
CoT(Chain of Thought:思考の連鎖)プロンプティングとは、AIに回答までのプロセスを事前に提示してあげるプロンプトテクニックです。
以下の例では簡単なCoTプロンプティングを行っています。
プロンプト:
まず、5個のリンゴがある。次に、2個を友人に渡すので、5-2=3個になる。さらに1個食べると、3-1=2個が残る。よって、残りは2個。
では、10個のリンゴがあって、3つを母親に、4つを兄に渡して、自分で1個食べた場合の残りは何個?
ChatGPTの回答:
10個のリンゴがあり、そのうち3つを母親に、さらに4つを兄に渡し、そして自分で1個食べた場合、計算は次のようになります:
10 – 3 – 4 – 1 = 2
したがって、残りのリンゴは2個です。(正解)
ChatGPTは計算が苦手な一面があります。しかし、上記のようにCoTプロンプティングを行うと、正確な計算結果を出力してくれやすくなります。
ChatGPTに複雑なタスクを頼むときは、CoTプロンプティングを試してみてください。
CoTプロンプティングに関しては、以下の記事を参考にしてみてください!
【AIを自在に操る】CoTプロンプティングで回答精度をUPさせよう!
実用的なプロンプト例
前述したプロンプトのコツを踏まえて、実用的なプロンプトの例をいくつか紹介します。
あなたはライターです。次の[条件]にしたがって、{テーマ}に関する文章を作成してください。
###
[条件]
・文末表現は「です・ます」調
・1000文字程度
{テーマ}:入力
変数で[ ]を使っているのは、変数内の情報が複数あるためです。特にルールはありませんが、個人的にわかりやすいのでそうしています。
あなたは{テーマ}のプロフェッショナルです。私は{テーマ}に関する情報発信をTwitterで行っています。{ターゲット}が{ターゲットの悩み}を持っている場合、どのようなツイートテーマが好まれると思いますか?10個提案してください。
###
{テーマ}:家計改善
{ターゲット}:30代既婚で子供を1人持つフリーランス
{ターゲットの悩み}:毎月の出費が多く貯金ができない。将来が不安。
2023年12月現在、ChatGPTにはTwitterと言わないと通じません。ChatGPTにはXに変更された情報はないためです。
{商品}の販売で起こる可能性のある課題を、[商品の特徴]と[ターゲットの属性]を考慮してリストアップしてください。
###
{商品}:コーヒーメーカー
[ターゲットの属性]
・20〜30代男性
・コーヒーを1日3杯以上飲む
・(その他情報)
[商品の特徴]
・出来上がりまで1分
・スタイリッシュなデザイン
・(その他情報)
自分では見つからなかった課題が見つけられるかも?
紹介したプロンプトはあくまで一例です。自分でプロンプトを作る際の参考にしてみてください!
実務で使えるプロンプトを20個まとめた資料を、インスタグラムで特典としてお渡ししています。気になる方は、私のインスタグラムにお越しください!
より多くのプロンプトを知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
【今日から使える】ChatGPTの実用的プロンプト12選を紹介!
今日からプロンプトを意識してChatGPTマスターになろう!
ChatGPTをはじめとしたAIを上手に活用するためには、プロンプトの工夫は必須項目です。
本記事で紹介したプロンプトのコツは基本です。しかし、どんなに複雑なタスクでも、紹介したコツを意識すれば実現可能です。
これから業務にバンバンChatGPTを使っていく予定の方は、今回紹介したプロンプトのコツをぜひ意識してみてください!
本ブログでは、今後もChatGPT(AI)の有益情報や最新情報をお届けします。
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